こんにちは。

日本でつくることについて、今回は、日本を選ぶ理由についてです。

わたしは、アメリカやイギリスなどの音楽や服、カルチャーと呼ばれるものに、ずいぶん影響を受けてきました。その後、日本のものや、その成り立ちにも、あらためて気がつくようになった経緯があります。

日本に関心を持つことが、それまで好きだったものを否定することになるとは思っていません。どちらからも影響を受けています。その両方が、いまつくっているものにつながっています。

日本でつくることも、似たところがあります。

日本でつくりたいと思うことと、日本がほかの国より優れていると考えることは、同じではありません。

自分が暮らしている場所のことを、もう少し知りたい。関わりのある作り手と、仕事を続けたい。身近にある素材や技術で、つくってみたいものがある。

わたしにとっては、そういう具体的なことを大切にしたいです。その理由を説明するために、ほかの国のものを否定する必要はないと思っています。海外の技術や設備、素晴らしく、学ぶべきところは多いです。

また、日本でつくられたことと、日本の文化から何を受け取ったかも、少し違う話です。

yorozuでは、襷や巾着、袴など、日本のものから形や考え方を受け取っている部分が大きくあります。ただ、昔のものをそのまま再現したいわけではありません。

当時あったものを想像したり、伝統とよばれるものに敬意をもちつつ、なぜその形になったのか。いま使うなら、何を残して、何を変えたらよいのか。そういうところに関心があります。

日本らしく見せることよりも、気になったことを、いま持ちたい形にしていく。その結果として、日本とのつながりが発見、再発見されます。

「日本のものはよい」と、大きくまとめてしまうより、この素材のここが好き、このつくり方でこの形にしたかった、という方向性です。

日本を選ぶ理由は、ほかと比べて一番だから、だけではないと思います。

自分がどこにいて、何を見て、誰とつくっているのか。まずはそのあたりから、考えていきたいです。

引き続き、よろしくお願いいたします。